バスは価格競争が裏目に出て、群馬県藤岡市で事故が起きたと説明されている。路線バスの半額近い価格であり、価格競争の裏側でツアーバスの安全管理のあり方についてこれまでも問題にされてきてはいてもすぐに忘れられている。5年前大阪府吹田市で27人が死傷したツアーバスの事故では運転手の過労と居眠りが事故の原因だった。この事故を機に国土交通省は一日辺りの運転時間で9時間、距離で670kmを超える運行については運転手の交代要員を配するよう指針を定めたが、その後もツアーバスは路線バスとの違いから安全管理が難しいことが問題視されてきたの。ツアーバスには停留所設置義務がなく、日程などを決めるのは旅行会社だが、バスの運行に関する安全管理の義務がない。このため国交省は今月、ツアーバスを路線バスと同じ規制で運行とする方針を示した。「安全確保への意識が低いような貸し切りバス会社は、高速バス事業の運行からは撤退を余儀なくされていく」とされている。
今回、大阪の旅行会社から委託を受け、ツアーバスを運行していた「陸援隊」は4年前にも乗務記録に記入漏れが見つかるなどして営業停止処分を受けていた。社長自身も、平成9年と11年には無免許で台湾人観光客らを乗せ、白バス営業をしたとして摘発。今回の運行で安全管事故を起こした高速バスは旅行会社が観光バスを借り上げて運行する「ツアーバス」と呼ばれるもので、安さを売りに利用者が増えている「ツアーバス」の安全管理に問題があったとも。近年は夜行高速バスの時代になってしまったが、原油高が響いて運転士に負担を余計重くすると言う危険きわまりない行為もあるとこちらで何回か話してきた。
目黒蒲田電鉄(現在の東急多摩川線と目黒線の前身)を経営する故五島慶太氏は「競合は避けろ」という言葉を口癖のように使っていた。価格競争をし続けているバス会社は五島の言葉に習わないといけない。五島の件に関しては、川崎財閥の川崎肇に直接掛け合い、昭和9年10月1日に池上電鉄(現在の東急池上線の前身)は目蒲に吸収合併され、目蒲の池上線に。昭和10年には目蒲と池上の駆け引きの象徴的存在だった新奥沢線が廃止。白金延長は頓挫したが、池上は路線拡大のため免特許を次々と申請。当初の構想通り大森への併用軌道による延長もその一つだったが、道幅の狭い道路に軌道敷設を東京市に反対され挫折。唯一実現したのは雪ヶ谷-国分寺間の敷設計画で、昭和3年10月6日に新奥沢線として雪ヶ谷-新奥沢間が開業するも新奥沢線は目蒲の地盤を侵略することに。
事故に関しては、車体の軽量化、国鉄やJRが安易に夜行列車を廃止しすぎていたこともあだになった。夜行列車については、バスや航空機と違い、列車の運行と一緒に線路や駅舎、信号等の管理の必要性があるのが誤りで、実態は週末辺りで満員に近い状態だったことしばしばだったし、分割民営化で積極的に営業活動できなくなり、潜在需要も商機も多かったのに機会を最大限生かし切れていなかった。
各地で寝台列車とともに赤字だからってローカル線や路面電車も廃止しすぎで、今のままでは将来が惨めになるので「今」ならと思っている。例えば指定席のみで使えるようにするとか、急行や特急の快速格下げ等が必要だったが、今からでも遅くなく、郷愁溢れる列車の良さをもっと伝える必要があり、廃止直前にも存続希望の声が多く、復活希望の声もある。夜勤職員数や夜勤手当の削減等が成長を阻害し、退化させ、内容が以前より悪くなった面も指摘され、航空機や新幹線、高速バスにできないことを多く取り入れた車両が必要だった。従来の常識を打ち破る内容や輸送も可能で、一万円以下で朝食も付く切符や移動をもっと楽しめるものがあってもよく、ゆっくり旅が楽しめる。利用者減が続いていたが、スローライフ社会が到来しつつある時代だからこそニーズが高まっていた筈で、日本中が新幹線だけでは駄目で、新幹線への収斂は外から見れば移動手段の選択肢を減らすために遅い旅があってもよく、欧米では寝台列車が多数残っており、旅を楽しむ人たちやバックパッカ-が大人気なので各自治体では議会で復活を取り沙汰して復活への活動が必要。
分割民営化も災いだったが、さらに5年すれば分割民営化から30周年となるなら問題解消のため近い将来統合を考えてよく、統合で亀山や下関等で全列車分断の問題が解消され、JR貨物による甲種輸送回数が削減でき、運賃計算上からも好都合で、関東の車両を関西へ転用できて車両の有効利用にもなり、在来線は東日本で、新幹線は西日本が経営すればいいとされ、西日本と九州の統合は経済効果も。
自動改札普及等で係員が旅客に相対する場面自体著しく減少もあるが、多様な企画乗車券が発売されても周遊券や周遊切符みたいに使用条件が厳しくなって国鉄時代より使いづらくなったものもあり、各社間の繋がりが薄れ、国鉄分割民営化で夜行列車廃止に拍車をかけただけでなく下関等を跨る列車は分割民営化前と同様に直通運転が継続されても改正の度に直通が減り、平成21年3月には下関を跨ぐ定期列車全廃など、会社間跨りで不便を強いられることが増え、思惑の違いから改善が進まなかった。だからJRとJRの統合の声もあり、自分も彼らの意見に大賛成。NTTだと東日本と西日本にしか分かれていないのに、JRは別れすぎているのがおかしく、噂ではJR四国はJR西日本に吸収というのもあった。これは実質的にJR四国がJR西日本の子会社であることから来ており、JR九州は西日本の収入なしで生きていけないとか、JR東海とJR西日本は統合してもいいという声も。
線路を走る列車の役割は本来非常に大きく、道路は画期的に輸送力や内容、利便性の向上が期待できず、寝台列車は面識ない人同士が互いに意思や感情、思考を伝達し合えるのが魅力で、新幹線や航空機はあり得ない。
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