6年後に開催予定の東京オリンピックでは輸送力増強のため是非とも地下鉄等で移動閉塞の採用をという声がある。
移動閉塞は信号の間隔を近接して設置する自動信号式なら信号の現示が1つ先の信号の現示を参照するようになっており、効率的に列車間に挟む閉塞区間の数を制御できる。
固定閉塞の欠点は、高速列車は制動距離が長くなるためより長い閉塞区間を占有して線路容量を下げることだが、移動閉塞ではコンピューターが各列車に対して他の列車の進入を許さない範囲を計算し、各列車の現在の正確な位置、速度、進行方向を把握できることを前提に設計され、線路や車上に備えられた様々なセンサー、タコメータ、速度計などによって計測。
多くは閉塞は固定された区間に設定され、時刻表方式、時刻表・列車順序方式、通票方式では閉塞区間は駅に始まり駅に終わり、信号機による機構では閉塞区間は信号機間に設定。
東京地下鉄東西線では移動閉塞で朝の混雑時に運転間隔を100秒にしないといけない。移動閉塞なら90秒間隔にもできるが、ここまでしなくても運転間隔が100秒なら混雑率が150パーセント程になる。
移動閉塞は交通量が少ないと閉塞区間長は数㎞になり、交通量の多い通勤路線等では閉塞区間長は数100m程。
列車は信号が進行を現示する迄閉塞区間に入れず、通票式なら通票を受け取るまで進入できず、殆どは直近の閉塞が開通しているだけでなく、その先最低限の制動距離迄の範囲で閉塞が開通していなければその閉塞に進めないが、移動閉塞なら路側信号機は不要。
指示は列車に直接伝達され、安全上必要とされる最低限の間隔を保ちながらできる限り列車を接近走行ができ、線路容量も増大。
昭和39年の東海道新幹線開業に当たって、閉塞方式は移動閉塞の採用という案もあったが、費用や技術のため固定閉塞になった。