国も自治体も青潮対策を怠ってはいないか?多くの青潮は未酸化の硫化水素による独特の腐卵臭を伴い、富栄養化で大量発生したプランクトンが死滅し、海底に沈殿し、バクテリアが分解の過程で海中の酸素が大量消費され、溶存酸素の極端に少ない貧酸素水塊を形成。
通常、この水塊は潮流の撹乱で周囲の海水と混合されて分散するが、内湾ではこの力が弱く、東京湾等では浚渫工事に伴う土砂の採集跡が海底に窪地として残され、窪地に溜まった水塊は貧酸素環境が保たれる。
現在、三河湾では海底の天然の窪地の人工的な埋め工事が行われているが、東京湾ではあまり行われていない。
平成14年に三河湾で発生した青潮がよく知られ、この青潮で沿岸のアサリが大量に死んだ。海底の天然の浚渫窪地を埋め、貧酸素環境が生じやすい環境を元に戻せば発生抑制できる。
青潮とは海水に含まれる硫黄がコロイド化し、海水が白濁する現象で、夏から秋に東京湾で多く発生。国は漁業関係者に補償もしない。
青潮は水塊中では嫌気性細菌が優占。嫌気性細菌の一種である硫酸還元菌(→極限環境微生物)が大量の硫化水素を発生させ、この硫化水素を大量に含んだ水塊が上昇すると表層付近の酸素が硫化水素を酸化させ、硫黄や硫黄酸化物の微粒子が生成され、微粒子はコロイドとして海水中に漂い、太陽光を反射して海水を乳青色や乳白色に変える。